こんにちは、社会デザイン協会の鈴木です。
7月より不定期にはなりますが、会員向けサービスとして、ブログ形式のメルマガを発行することにしました。

****目次*****
お知らせ:秋田地球熱利用事業ネットワーク総会
     第4回持続可能な社会セミナー開催のご案内
おはなし:持続可能な社会づくりについて
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~お知らせ~
2019年6月21日 秋田地球熱利用事業ネットワーク総会が秋田市役所で開催されました。基調講演として、秋田工業高等専門学校長 植松 康 先生から「太陽光発電システムの現状と課題」の基調講演をいただきました。講演会の様子はこちら(動画鋭意製作中)。

2019年8月11日(日)15時30分から  第4回持続可能な社会セミナー開催のご案内 場所:秋田市役所中央公民館 洋室4にて 参加費:無料(ただし、お茶菓子代として、500円程度)

~おはなしテーマ:持続可能な社会づくり~
 2015年国連においてSDGsが全会一致で採用が決まってから、にわかに持続可能な社会づくりが話題になりつつある。私が2010年から関わっているもったいない学会では、このテーマが永遠の課題として取り上げられてきた。もったいない学会の中で基盤となって考えられているのは、環境経済学で、ローマクラブが提唱した「成長の限界」が基軸として考えられている。
 そこでは、人間の生産活動と地球環境の維持活動の共存共生である。
 私たち人間は、太陽から得たエネルギーを地球が受け、その地球から人間活動のみなもとが提供されてはじめて人間の生産活動ができている状態である。全世界の人口が少ないときには、そのエネルギーがうまく循環しており、人間活動も潤沢に行われていた。しかし、産業革命以降、人口が増え、人間の活動量が増えるにつれて、その地球環境の消費と再生産の循環における均衡が崩れてきた状態になってきてしまった。今は、人間の生産活動による地球エネルギーの消費が再生産を上回っており、いわゆる貯金を切り崩して生活している状態にある。しかも、その貯金(=エネルギー貯金)はそろそろ底をつきつつある状態にある。
 この危機的状況に立ち上がったのが国連である。
 しかし国連のSDGsは、エネルギー貯金を大量に使用する人間の生産活動を自粛せずにこのままの状態で均衡を保とうとしているようである。どうやら、科学や技術が、このエネルギー貯金の切り崩しを止めるような錯覚を持っているようである。しかし、貯金は、地球エネルギーの貯えを増やさなければいけないので、まずは、地球エネルギーの消費を減らすことを考えなくてはならない。今の、先進国の生産活動は、自分たちの活動を、地球や自然に代替わりさせている状態で、この人間の生産活動を縮小させること(もしくは、方向転換を図ること)を考えなければ、地球エネルギーの消費を減らすことができないことに気付かなければならない。
 そのためには、日本特有の考え方である、もったいない哲学が有効になる。近年の日本では、このもったいない哲学において、経済成長を優先させたがために効力が失われ、いたるところでもったいない事象が発生している。たとえば、食品ロスの問題である。私の著書「未来と結ぶ本」にも書いたが、昔の日本では、もったいないお化けが出るぞ、と言って、ご飯を残すことは悪いことにあったのだが、いつの間にか、このもったいないの考え方が、ケチにつながり、カッコ悪い状態に陥ってしまった。まさしく、お金持ちは、バンバン物を捨て、消費をするのがかっこいいとした、バブルの温床がいまだに尾を引いている状態である。洋服もそう。ファッションリーダーなどともてはやされ、どんどん買っては捨てをすることによって、それがかっこいい、という状態になっていった。ましてや、最近は、ファストファッションなどと、安くてもダメになったら捨てればいい、みたいな風潮の中で、どんどん生産され、半分以上が捨てられる、というような異常な状態になってしまっている。ここに、「もったいない」はない。
 では、どうすればいいのか?
 まずは、長持ちしていることがかっこいい、というような風潮づくりと、物を大切にする、という教育活動が必要になる。じつは、そのためには高い教養が必要になる。というのも、この実態を知らないために、その誰かが作った風潮に流されるのである。私の専門はサービスマーケティングであるが、その真髄は、「人は目に見えないものを想像する力に乏しい」という前提を理解することにあると思っている。このことを理解していると、都合の悪いことは、見えないようにするのがいい、となるのである。
 次回は、その具体的な方法をお話ししたいと思います。

(文責:鈴木秀顕)

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